マルチウェイシステムの仕組み

カーオーディオの主流かつ定番であるマルチウェイスピーカーシステムは、文字通り複数のスピーカーで構成され、高域はトゥイーター、中域はミッドバス、低域はウーファーと、それぞれのスピーカーが任された帯域の再生に専念し、分業を行うことで最良の音楽再生を実現する。本来ひとつのユニットで全帯域をカバーするフルレンジスピーカーが望ましいが、スピーカーは構造やサイズによって得意とする帯域が異なり、単体ですべての帯域をカバーできないため、完璧なフルレンジスピーカーは理想であって現実には存在しない。マルチウェイスピーカーシステムの魅力は、複数のスピーカーをコントロールすることで高域から低域まで幅広いダイナミックレンジを確保し、スピーカーごとの担当帯域における歪みを抑えるとともに、クリアで高品位なサウンド再生を可能にすることにある。 シンプルで音像を作りやすい2ウェイシステム マルチスピーカーシステムの基本ともいえるのが、トゥイーターとウーファーの組み合わせによる2ウェイシステム。なかでもミッドバスとも呼ばれる中音域を含む広い守備範囲を担うウーファーは、システムのキャラクターを決定づける重要な役割を担う。その構造と性格については別項で詳しく述べるが、ウーファーを選ぶ際、まず最初に考えなくてはいけないのがスピーカーの口径。例えば、17cmスピーカーの口径が1cm大きくなると、表面積は20㎠大きくなる。光景が大きいほうがより大きい音圧が出せるだけでなく、より低域から音を再生することができる。ただし実際には取付場所の制約があるため、純正の自然な取付イメージを崩したくなければ、純正スピーカーが取付けられている穴の大きさに合わせる必要がある。また、口径のみならずドアの内張内に収まるかどうかスピーカー本体の奥行きを見極めなくてはいけない。つまり取付位置の穴の大きさとドアの内張りの厚さがウーファーのサイズを決めることになる。 マルチウェイシステムの仕組み ミッドバスとトゥイーターの橋渡し役「ミッドレンジ」 2ウェイシステムにミッドレンジを加えた3ウェイシステムは、マルチウェイのもうひとつの主流であるが、ミッドレンジが加わることで、取り付け条件によっては、ミッドバスで不足しやすい400Hz~1kHz以上の音域が補完され、高域から低域までの全帯域においてさらにバランスの取れた再生が可能になる。ただしユニットが増えることで、位相の調整がシビアになることも忘れてはならない。また、そもそも車室内は家庭のオーディオルームと異なりスピーカーの設置場所が著しく制限されることから、リスナーとスピーカーの角度も左右バラバラで、距離も同一ではない。スピーカーからの距離の差によって生じる遅延を解消する上で、デジタルサウンドプロセッサによるタイムコレクション機能が威力を発揮する。スピーカーの取付位置や角度の検証に加え、高度なデジタルチューニングが一体となって、より快適な音響空間が実現するのである。 マルチウェイシステムの仕組み

マルチウェイシステムの仕組み