デジタルアンプとは

エコカーの隆盛に伴い近年脚光を浴びるデジタルアンプ。D級アンプとも呼ばれ、その最大の特徴はコンパクトなサイズと優れた電源効率にある。ここではデジタルアンプの増幅の仕組みに触れてみよう。 省電力でコンパクトなデジタルアンプ 入力された音楽信号はまずコンバレータに迎えられ、音楽信号と基本波形の一つである三角波を比較する作業が始まる。音楽信号のレベルを瞬時に三角波と比較し、低ければトランジスタをOFF(=0)に、高ければON(=1)に変換。一連の作業を繰り返し、音楽信号はPWM変調と呼ばれるパルス信号に変換される。加えてON/OFFのそれぞれの状態がどれだけの長さ続いたかという時間の要素を加えた3つの情報によってパルス信号が構成される。絶え間なく流れ込んでくる音楽信号を処理し、高精度なパルス信号へと変換し、その後パルス信号にファイナル段で電圧をかけて増幅、最後にローパスフィルターを経てアナログ信号に戻し、スピーカーへ出力する。 デジタルアンプとは デジタルアンプにおいて実際の動作はトランジスタのON/OFFの切り替え(スイッチング)だけなので、OFFの時はトランジスタはないも同然なので電流は使わない。つまり回路の構造自体が省電力なのである。そのため電源のほぼすべてをPWM変調の増幅に回すことができ、電源効率90%と損失が少ないため、発熱量も抑えられる。また、ノイズ源となる構成部品が少ないことでS/N比の向上に貢献するものの、一方でスイッチングによって生じる高周波ノイズの壁がたちはだかる。ノイズフィルターの設計は困難で、またフィルターを通した音質が固めになる傾向があることから、その音質がデジタルアンプ固有の音として周知されてきた。さらに省電力化による電源ユニットの小型化は電圧の変動に弱いという弊害を招き、ローパスフィルターを構成する大型コイルが、筐体のより一層のコンパクト化を阻むという弱点がある。
とはいえ半導体の著しい進化を背景に、アナログアンプに比べスピード感やアタック感に優れ、CDなどデジタル音源との相性のいいデジタルアンプへの評価は年々高まっており、もはや音質においてもアナログとデジタルの差はなくなりつつあり、時流に合ったデジタルアンプがアナログアンプを凌駕する日も遠くないかもしれない。

デジタルアンプとは