コーン型スピーカーの構造と特性

カーオーディオの音質向上の要ともいえる純正スピーカーのグレードアップ。以前はスピーカーそのものの奥行きがあったため、ドアの内張りから内側に突き出した部分をアウターバッフルで囲い込み、カスタム感を出すことが主流であったが、現在はできるだけボディへの加工なしに純正の自然な取付イメージを崩さないトレードイン方式へと変遷を遂げている。純正スピーカーの取付け穴を用いることから、穴の口径はもちろん、ドアの内張りの奥行きに収まるかどうかがスピーカー選択の基準となるため、ウーファーの薄型化も進んでいる。 「半頂角」がスピーカーの特性と形状を決める 最も一般的なスピーカーであるコーン型スピーカーの場合、スピーカー本体を薄くするうえでの鍵となるのが、コーン紙によって生成されるすり鉢状の部分である振動板の角度、すなわち半頂角で、その半頂角がスピーカーの形状、とりわけ奥行きを決める。理論上、振動板の角度を限りなく浅くすることで、より薄いスピーカーを作ることが可能ではあるものの、半頂角を浅くすると、中高域の再生において振動板が上下に高速で繰り返し動く際に、振動板の外周がその振動に追従できなくなる。これは半頂角が浅くなることにより形状合成が弱くなるためで、半頂角が浅いまま強度を上げると、今度は振動板の重量が増えるため、振動板の動きが鈍くなる。 コーン型スピーカーの構造と特性 ちなみに、サブウーファーは一般のスピーカーに比べて半頂角が浅い。その理由は、サブウーファーの再生範囲が低域に限られ、半頂角が浅くても再生に支障がないことが挙げられる。また、瞬発的な信号の入力やエンクロージャ内の空気圧の上昇による損壊がないよう、振動板の素材により固いものが用いられることが多い。さらに大きい振動板を駆動することで、エンクロージャ内の空気が強いばねのようになって振動板が動けなくなってしまうのを避けるため、振動系を重くし、磁気回路を大型化することで空気ばねを無視できるようにし、低域再生限界周波数を下げる仕組みになっている。

コーン型スピーカーの構造と特性