アルパインのノイズ対策

ノイズとの戦いには終りがないといわれるが、アルパインのS/N比向上への取り組みは着実に成果を挙げている。なかでも回路内の給電ラインやアースラインの共有化を排除することで、それぞれのラインを基準点からダイレクトに各ブロックや信号経路に接続し、回路間の相互干渉や信号電流の変化による増幅基準点のぶれを取り除く独自の技術「S.T.A.Rサーキット理論 (Signal Transit for Accurate Response) 」の貢献は大きい。 これは、これまでアルパインがオーディオ機器の開発で培った信号経路、各回路の配列、そして電源供給の手法といった技術を理論化したもので、円滑な信号の流れを確保するとともに、歪みやノイズを極限まで排除する狙いがある。 下の画像は地デジ回路部分の輻射ノイズの分布状況を示すものであるが、従来の回路(左)に比べ、右のS.T.A.Rサーキット理論に基づく新設計回路では、輻射ノイズの広がりが収束し、中央に抑え込まれていることがわかる。その結果、より安定したフルセグ受信が可能になるとともにオーディオ領域からDSP周辺、コア電源、メモリー、デジタル回路と全面的に見直すことで、オーディオ信号との相互干渉による弊害を徹底的に削減、輻射ノイズを約15dB軽減することに成功した。 アルパインのノイズ対策 さらに、半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス社との共同開発による新設計の改良型パワーICにより、急激な電源変動にも左右されず、ボーカルの余韻に至るまで乱れることのない量感豊かなサウンドを実現。また、アルパイン独自の高音質電解コンデンサーMOS-FETパワー素子の投入により、周波数特性のフラット化はもとより、0.1Ω以下という低インピーダンス化を達成。ノイズを抑え、トータルバランスに優れた自然な音色の再現を可能にした。 アルパインのノイズ対策 水を打ったような静寂の中から立ち上がる繊細きわまりないバイオリンの音色に、言葉にならない感動がこみ上げる。ノイズを抑え込むことで、これまで聴こえなかった音が聴こえ、静寂までもが心を揺さぶる。音楽の醍醐味を余すところなく再現するため、ノイズとの戦いはこれからも続く。

アルパインのノイズ対策